Bootleg基礎用語

ブートレグ(Bootleg)
    語源は密造酒だが、音楽業界では海賊盤(版)のこと。
    アーティストと著作権使用契約をしていない会社が、勝手に作る非合法製品。
    CDの場合は、会場録音やテレビ・ラジオ出演時の音源を基にしたものが多く、
    内容・音質面のクオリティも千差万別。
    「コレクターズCD(ビデオ)」などと言う呼び名で売られることもある。


アナログ起こし(針起こし)
    コピー盤の一種で、アナログ盤を原版に作られたブートレグCDのこと。
    アナログ盤に特有の、プチプチという雑音(スクラッチノイズ)や、レコード針と
    盤が擦れる際に生じる雑音(トレースノイズ)などが聞こえる。
    古いブートレグから起こすだけでなくと、放送局用ディスク起こすの場合も。
    カートリッジを使うことから「針起こし」とも言う。
    類語に「ビデオ起こし」がある。
オーディエンス録音[Aud]
    客席にマイクと録音機を持ち込んで録音したもの。
    当然、周囲の観客の歓声や話し声も一緒に録音されている。
    音質は、マイク・録音機・会場・席・観客……に影響される。
    近年は録音機材の発達で、鮮明な録音も一部で登場している。
コピー盤
    オフィシャル盤のレア曲や、ブートレッグを複製したブートレグのこと。
    ブートレグのコピー盤CDはイタリアやドイツの業者が得意としていた。
    オリジナル(コピーされたもの)に比較してジャケット等の見栄えは良くないが、
    価格は安く、大量に作られているため入手しやすく重宝された。
    アナログの場合は原盤に比べ、音質劣化の著しいものが多かった。
    オフィシャル盤を外見から完全に複製した“偽物”は、パイレートという呼ぶ。
コンプリート [⇔インコンプリート]
    コンサートなど全曲収録あるいは完全収録されたものがコンプリート、
    そうでないものは、インコンプリート。
    最近のオーディエンス録音から作られたブートレッグは、コンプリートが当たり前
    (長時間録音が可能なDATの普及による)。
    逆に放送音源では短く編集されていて、インコンプリートが多い。 
サウンドボード録音/ライン録音 [Sb or Sbd]
    ボーカルと各楽器の音を複数のマイクで拾い、ミキシングしたを録音のこと。
    ライブアルバム、TV・ラジオ等の放送、バンドの記録・コレクション……を目的と
    した録音。音は良いが、歓声をミックスしていない場合は臨場感に欠ける。
    放送を録音したものを含めてこう呼ぶことが多いが、当ページでは区別している。
    複製時(ダビング時)の劣化の激しいものも少なからずあり、
    SB音質が必ずしも高音質を保証するものではない。
    AEROのSB音源は、ほとんどが放送音源を使用したものである。
CD-R [CD-RECORDABLE]
    パソコンや専用のレコーダーを用いて、一回限り記録することの出来るCDのこと。
    大きさは通常のCDと同じだが、記録面の色が緑・青・金等と異なっているのが普通。
    個人でも1枚から作成できるため、最近のブートレグはCD-Rのものが増えているが、
    プレスCDに比べて作製に時間がかかるため割高になる、焼き付け時にエラーが発生し
    不良品が出る、プレスに比べ劣化が早い、CDプレーヤーによっては再生できないなど
    問題点も少なくない。
    AEROの1998/2000年日本公演のブートレグは数多く出回ったが、両年とも
    1組を除きすべてCD-Rであった。
ジェネレーション [Gen]
    録音されたテープ等の世代(コピーされた回数)のこと。会場で録音したテープを
    マスターと呼び、マスターから直接コピーされたテープを1stジェネレーション(1G)、
    1Gからのコピーを2ndジェネレーション(2G)、以下3G,4G,5G……と呼ぶ。ジェネ
    レーションが低いほど音質の劣化が少なく、ノイズも少ない。
    DAT,MD等のデジタルコピーの場合には、D1,D2,D3……と表現されることが多い。
    これを気にしだすと、もう末期患者である。
SCMS [SERIAL COPY MANEGEMENT SYSTEM]
    著作権保護のため、デジタルコピーの回数を制限した規格のこと。
    例えばCDからMDへはデジタルコピーできるが、そのMDからさらに他のMDへの
    デジタルコピーは禁止する「1回のみコピー可」という信号がCD等には入っている。
    民生機を使って作られたCD-Rブートレグの中には、このSCMS信号のせいで
    1回もデジタルコピーが出来ないものもあるが、マニアはSCMS信号を解除できる
    業務用CD-Rレコーダを購入してで対抗するなど、泥沼化が進んでいる。
スリックカバー
    アナログ時代の用語。1970年代のアメリカ産ブートレグに多かったカバーで、
    白いジャケットに、曲目や題名、バンドの写真をあしらったシルクスクリーン印刷の
    チープな紙をつけたもの。
ピッチ
    本来は音程のことだが、ブート用語ではテープ再生スピードの狂いのこと。
    カセットからカセットに繰り返しコピーした場合、デッキの録再スピード誤差により、
    音程が狂う場合がある。電池が消耗した状態での録音でも発生する。
    ひどくなると本来30分の録音が31分や29分で再生され、正常に聴くことができない。
    近年では、California Jam 2がピッチが早過ぎ、演奏がムチャクチャになっていた。
ラジオ音源 (FM放送・テレビ音源)
    広義では「サウンドボード録音」と同意だが、当ページでは区別している。
    FMラジオやテレビで放送されたものを録音し、原盤として使用したブートレグ。
    電波に乗ったものをエアチェックしたため、受信時のノイズが混入する場合もある。
    最近ではブートレグ化防止のため、曲間にDJのコメントや放送局名などが入るので
    それらを避けてフェードイン、フェードアウトで曲を編集しているなど特徴がある。
    (AEROでは90年DONINGTONなど)
ラジオショウディスク (放送用原盤)
    放送用としてラジオ曲に配布、または販売されたレコードやCDのこと。
    そのまま番組として放送できるように、CMやDJのコメントなどもライブと一緒に収録
    されている。以前はLPだったが、その後はCD、現在はCD-Rが主流となった。
    ライブ盤で、DIR社の「KING BISCUIT FLOWER HOUR」や、WESTWOOD ONE社の
    「SUPERSTAR CONCERT」などが有名。
    放送局流出のラジオショウディスクを原盤に、ブートレグ化したCDも多い。
    (AEROでは'75年NEW YORK、'87年HAMPTON、'90年PHILADELPHIAなど)


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