ゴールデンウィーク特別企画音盤発掘隊調査日誌外伝
レコード発掘夜話



ニュースとともに、リクエストの多いのが、レコード関連情報。

新規発売盤(オフィシャル盤)なら簡単に通販してくれる店などを答えられるのだが
中古盤+ブートレグに関しては、質問者の顔が見えないと答えにくい(←年齢とか経験)。
「ブートレグの相場はいくらですか?」
「どこに行ったら買えますか?」
この2つの質問は、僕がネットを始めた3〜4年前から延々繰り返されている。

YAHOO! JAPANで、キーワード「コレクターズCD」を入力してみよう。
「コレクターズCD」というカテゴリーが出て来ないが、
検索結果の中には下のようなページが表示されてくる。

えとせとらEDITION BOOTLEG何でも講座←勉強になります
 ※HOUSES OF THE HOLYさんのサイト内の記事
POPPER Shop Link <新宿>←便利です
 ※POPPERさんのサイトの記事

RECORD FISHING 中古レコード屋屋リンク集
 ※ROCORD FISHINGさんの記事←AERODYNAMICSのリンク内にあり

このへんを読んで、基礎知識が既にある人だと答えやすかったりするわけです。



西新宿

GWが終了したので、mapもver2に変更いたしました。
名前が書いてあるのは、僕がよく発掘に行く輸入盤・中古盤店です。
名前が書いてないのは…それなりのお店でございます。ご推測ください。
正しい縮尺の西新宿7丁目マップはこちら。

音盤発掘隊調査日誌ほかで、西新宿7丁目ツアーの話題はよく出している。
そんで、こんなメールも来たりする。

「ゴールデンウィークに、東京までレコード探しに行こうと思うんですが、
レコードマップは持ってるんですけど、西新宿の○○と○○が見つからなくて…。
どこなんでしょうか?」
こういう熱心なメールが来ると、答えなければいけません!

有名店でも、レコードマップに載ってない店はかなり存在する。
レコードマップは、ブートレグ以外に正規盤+中古盤も販売している店は、
掲載しているが、100%ブートレグの専門店は載っていない。
というわけで、2時間かけて上のような地図まで作ってお返事したりする(^^ゝ

7丁目に迷い込むと、見たことも聴いたこともないブツを見て、アタマがぶっ飛ぶ。
「福沢諭吉を握りしめてレジに並ぶ」(更生前の浪費おーじ)
「買っちゃおっかなー♪」とサイフを握りしめる(ついに一族入り! 浪費王女ちゃま♪)
「買う! きょう見たい! とにかく欲しい!」とだだっ子になる(ほなみ姉)

オレンジ色のドトールとベローチェ(安いコーヒー屋さん)が書いてあるのは、
「1度全部店を回って、コーヒー飲んでアタマ冷やして、どこが安いか思い出してね」
の意味だったりする(マクドナルドとラーメンの博多天神は単なる目印)。
中古盤もブートレグも、値段はあってないようなもの。
寿司屋の「時価」と同じで、同じブツが3分歩くと3000円違うなんて日常茶飯事。

そして、もう1つ。
7丁目は珍しいものもたくさんあるけど、地雷もたくさん落ちているんある。
5000円のビデオが、隣の店で2500円なんつーのはかわいいほう。
ニコニコして家に帰って聴いてみたら(見てみたら)
「金、かえせ! ばっきゃろー!」と大魔神に変身せざるをえないような劇薬も。

7丁目の達人は、地雷を数十回踏んでも生き返る、ゾンビみたいな連中。
誰に教わるわけでもなく、自分でたっぷり授業料を払って(カスをつかまされて)
身につけた、自慢にならない知識と経験値を持っている。
そーゆー連中は、レコード屋を回るのも早いよ。
上の地図の店完全制覇90分以内は最低条件。
おーじにいたっては、店の数を減らしてピンポイント爆撃で1周25分の記録を樹立。

もっとも、浪費王女ちゃま♪たちを連れて行くと、3時間はかかるけどね。



攻撃目標
音盤発掘隊の記事で、西新宿ツアーの記述が多いのは、上で書いたみたいな
エピソードがたくさん生まれるからである。

でも中古盤LPを探そうと思ったら、ほかの街に繰り出したほうがいい。
レア盤は見つからなくても、安定した在庫があるのが渋谷。
ぼうず(不漁)の日もあるけど、大爆発する日もあるのが下北沢。
電車で移動する羽目になるけど、値段の安さは中央線沿線。
探しにくいけど、釣果も大きいのがお茶の水〜神保町。

音盤発掘ツアーのときは、同じ町で5軒以上見て回ることが条件なので
そのロケーションに適しているのが、西新宿7丁目、渋谷、下北沢なわけ。
西新宿が最強ポイントなわけではない。
(ブートレグ新譜に関しては最強かもしれんが)

ここまで読む間に、上のPOPPERさんのレコード屋リンクを覗いたような人には、
細かく教える必要はない。店の名前と場所、品揃えの傾向という「手がかり」が
あれば、自分で開拓していける漁盤師の素質は十分お持ちだと思う。

「レコードマップを見てください」。
ことあるごとに言うのは、こーゆー訳だ。

4月末の土曜日のこと。
福岡から買い出しに来たのばち君、最近レコードが欲しくなったアイ姉ちゃんも
引き連れて、下北沢ツアーに出た。
アイ姉、昔お小遣いが足りなくて買えなかったローリング・ストーンズのLPをご所望。
2軒目のフラッシュ・ディスク・ランチで、Some Girlsをシールド新品を発見。
このアルバムも、カバーの変更が行われた盤で、残念ながら初版じゃなかったが、
発売20年以上たってシールド1600円前後なら文句のいいようがない。

アイ姉、3軒目で「Tattoo You」も見つけてニッコニコ。
「こも欲しかったの。800円だって〜♪」
「よかったねー。でも買っちゃだめよー」と、なぜか棚に戻す私。

泣きそうな顔のアイちゃんに、もう1度カバーを見せながら…。
「ほら、盤質Cでしょ。カバーの背中はすり切れ、底割れだし、状態悪いもん」
やっとのことであきらめさせる。
5分後、ディスクユニオンでTattoo Youは新品同様600円で発掘されましたとさ。

レコードの値段は、売ってる街によって、店によって変動する。
音盤発掘隊調査日誌で値段も明記してるのは、中古盤屋とうまく付き合うと
ここまで安くなる…という1つのガイドプライスとして記載してる。



ガイドプライス
こんなことエラソーに書いてる僕も、かつて授業料をたっぷり払ったことは言うまでもない。

中古LPも普通のもんならガイドラインは1枚800円以下@ディスクユニオンだけど、
もし東京まで買い出しに来て、最後の店でやっと2000円で掘り出しました…っていったら、
その値段で買うしかないよね。

西新宿で「本で見たことあるけど、初めて本物を見ました!」と感激したなら、1万円を
払ってもいいかもしれない。
逆に「絶対半額以下で掘り出してやるぞ!」と闘志を燃やすなら、それはそれでいい。
レコードの値段なんていうのは、欲しいと思う人の"熱望度"でしか計れない。

シングル館に展示してあるDarkness、これも発掘はムズカシイ盤の1枚。
2000円以下なら大勝利だし、アメリカから送料込み20ドルでも元が取れる。
これをBURRNのエアロ特集で見て、10年探して、1万5000円で見つけた人がいる。
さすがにためらって、3回店に通って、給料日の後でついに堪えきれずに買ったそうだ。

これを聞いて、どう思う?
尊敬するレコードの達人の1人、マリコさんはこう言った。

「10年探したんなら、仕方ないよね」

次に掘り起こせるかどうか、その運があるかどうかは神様しかわからない。
10年欲しかったんだったら、妥当な価格でしょう。
ただ、この話にオチがついてしまったのは、そのレコードを僕は2年探して
下北のフラッシュの特売コーナー500円で掘り起こしていたからなのである。

Darkness

裏面がブートレグにもなった
1986年のライブ3曲入り。

このころ、人気が復活していな
かったため、日本への入荷枚数も
少ないので、見つかりにくい

のばち君の言う
「欲しかったら買う。サイフの許す限り買う」
これもまた真理。
(浪費おーじも、更生前は同じことを言っていたような…)

とにかく、街に出るなけりゃ始まらない。
ゴールデンウィーク後半、時間があるなら、レコード屋さんへどうぞ。