GEFFENレーベル紙ジャケ発売記念
「ダン・ウィズ・ミラーズ」も検証してみました〜。
based on idea from 紙ジャケ探検隊


 ダン・ウィズ・ミラーズ(2005紙ジャケ版)
 エアロスミス
 ユニバーサル/ UICY-9520 (2141円)

私は好きなんだけどなー。これも持ってる人が少ないアルバムなんじゃないでしょうか。1985年発表、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードが復帰して、オリジナルメンバーでの再スタート記念アルバム「ダン・ウィズ・ミラーズ」。ジャケットのデザインは単純なものなので、紙ジャケ化と言ってもあまり変化のないアルバムでございますが。

・・・でも検証するのだ。
今回もスキャナを駆使して、色調などをチェックしてみます。

オリジナルUS盤LP (1985年)
DONE WITH MIRRORS
GEFFEN / GHS-24091
これはアメリカ盤LP。前回同様、四分割スキャンで合成。どっちが右だかよくわからないデザインなんだけど、LP/CDを入れる口が開いてるほうを右にしてスキャンしました。

オレンジ色が紙ジャケと多少違うのはスキャナの誤差です。本物を比べると同じ色ね〜。
日本盤LP (1985年)
DONE WITH MIRRORS
CBSソニー/ 28AP-3111 (2800円)
日本盤はCBSソニーが初版。その後、発売元がワーナー、MCAビクター、現在のユニバーサルへと移っていきます。
これは1980年代前半のソニーに多かった「ひっかけ帯」で、上にかぶせて、シュリンク包装(全体を透明ラッピング)してあるタイプ。実はこれも「金帯」だったんだねー。その帯の気合いにも関わらず、ヒット曲が出なかったせいでセールス的には不発だったんだけど。文字も英文部分はひっくり返ってますね。芸が細かい。
ライナーは伊藤政則氏。今回の紙ジャケでも流用されてます。
US盤CD (1985年)
DONE WITH MIRRORS
GEFFEN / 9-24091-2
アメリカ盤CDの代表的なヤツ。最初は「文字裏返し」だったんだけど、「そんなコトをするから売れないんだ!」って言ったやつが絶対いたんだろうと思う。ちゃんとAEROSMITHと読める形に改訂されてます。
後に「Aウィング」まで合成でくっつけたバージョンも、アメリカ盤CDで出てますが、今回はややこしくなるので省略しました。
日本盤CD (1985年)
DONE WITH MIRRORS(英語表記)
CBSソニー / 32DP-288 (3200円)

日本初版CD。アーティスト名が「エアロスミス!!」。びっくりマークが2つも付いてる。売る方も気合いが入ってます。サンプル盤もLPは山のように作ったらしいし。まだLPよりCDが高い時代で、お値段3200円。

ブックレットをホチキス止めしてある方をに向けると、こういう図柄になっちゃうのよ。間違ってスキャンしたんじゃないよ。ホント、どっちが右だか左だか…。
日本盤・初代紙ジャケCD (1994年)
ダン・ウィズ・ミラーズ
MCAビクター / MVCZ-70(2500円)
紙ジャケの元祖の時代の限定盤。敬愛する紙ジャケ探検隊さんのデータベースによれば、紙ジャケの第1号は1994年3月2日にビクターから発売された「サキソフォン・コロッサス」(演奏ソニー・ロリンズ)だそうだけど、同じ1994年にエアロスミスも出てたわけだ。
現在と違うのが紙の質。これは保存性(耐久性)を考えて、ボール紙のような厚紙が使われているし、インナー(内袋)は再現されていない。また保存のため、プラスチックの透明カバーがかぶせられていた。GET A GRIPまでの4作品が同時発売。
日本盤・2005年紙ジャケCD (2005年)
ダン・ウィズ・ミラーズ
ユニバーサル/ UICY-9520 (2141円)
紙ジャケの評価基準って「オリジナルLPと同じ形の追求」なわけ。色調・手触り(紙質)・インナー・帯・レーベル面が5大要素。
GEFFENレーベルは、日本の発売元が度々移動しているので、残念ながら帯の再現はできてないけど(発売会社が違うから)、ほか4か所は合格です。手触りは、1994年紙ジャケが厚紙だったのに対し、これはオリジナルUS盤LPに近い薄手のソフトなボール紙。内袋は後述。





ジャケ裏面(まだ、やるか!)
オリジナルUS盤LP (1985年)
DONE WITH MIRRORS
GEFFEN / GHS-24091
裏面は軽くいきまーす。さすがにやってる本人もゲップが出てきた。夢に見そー。
まずはアメリカ盤LPねー。
日本盤LP (1985年)
DONE WITH MIRRORS
CBSソニー/ 28AP-3111 (2800円)
CBSソニーの初回日本盤LP。
裏面に注目ね。曲目の文字がひっくり返ってます。
これじゃ小さくて見えにくいので、下のほうに拡大版でもう1回紹介します。この1985年になると、日本盤LPにもバーコードが同じ位置に入りました。
日本盤CD (1985年)
DONE WITH MIRRORS(英語表記)
CBSソニー / 32DP-288 (3200円)

1985年って、まだLP優勢で、新しいメディアのCDのほうがマイナーな存在だったのね。1988年ごろになると逆転してCD中心、LPが売れなくなって日本盤が生産中止になるんだけど。
そういう過渡期なので、裏面は日本独自デザインになってます。堂々と裏面には日本語で曲目が入ってるという(これもほんの一時的なものでしたけど)。英語のところは、ちゃんと逆転してるぞ。
今となっては、珍品の部類だね〜。
日本盤・2005年紙ジャケCD (2005年)
ダン・ウィズ・ミラーズ
ユニバーサル/ UICY-9520 (2141円)
帯で隠れてる部分けど、画面右上に本来あるべきバーコードは、今回の日本盤では消されてます。昨年のソニー製紙ジャケが「バーコードのないものは入れない。あるものは縮小版で同じ位置に」とこだわったの対して、ユニバーサルは「入れないったら入れない」で本体ジャケにはバーコードなしで統一されました。

ああ、やっと終わったか…と思ったら。まだ続く




めったに見かけないので…オマケ解説

どうせ歴史講座だ。キャップも紹介しよう。

これもほんの一時期だけ作られた「キャップ」型の帯。帽子みたいに…というか、お菓子の箱みたいに…というか、とにかく六面体になってて、すっぽりCDケースにかぶせるタイプだったんだな。ケースを開けるためには、はずさなければいけないという手間がありまして、みんな買ったらキャップを捨ててました。ソニー盤の中古は時々見ますが、このキャップまで残ってる「DONE WITH WMIRRORS」は1回しか見たことがありません。

今と随分違うざましょー。これもCD過渡期の苦労の産物です。でも持ってても自慢にならない一品であります。とほほ。



日本盤の帯(同じ金帯でも人気ないなー)
表面のお楽しみは「キャッチコピー」ですね。
軟派なロックにゃ用はない。極端なまでにゼイ肉をそぎ落とした、こいつがハード・ロックの骨格。
古豪復活−−−エアロスミスが放つ伝統のアメリカン・ハードネス。
(いい文章だなー。CDキャップでは文字数の都合で、2行目部分はカットされてるけど)

裏面は、曲目やHARD'N'HEAVYのロゴまで、ご丁寧に左右逆転でひっくり返ってます。ただし右上の「このレコードを…テープその他に録音することは法律で禁じられています」の文言はさすがに通常で読めるようになってるけど。手間かかってますね、この帯も。この帯付きLP、数年前まで中古屋で300円でした。高く買わないようにねー。



インナーバッグも再現されてます!
レコード袋にも着目してみましょう。
LP袋(大きいほう)と、今回の紙ジャケの付属袋を同時にスキャンしてみました。インクの濃淡はあるけど、見事に再現されてます。
これも、開いてるほう(LP・CDを入れるほう)が上の状態でスキャンしました。



最後にレーベル!(ここでおしまいねー)
今回の紙ジャケCDのレーベル面(左)と、アメリカ初版LP(右)です。GEFFENのロゴと文字は正位置だけど、AEROSMITH / DONE WITH MIRRORSの題名とクレジットの文字は左右逆転。
上がアメリカ盤LP、下が日本盤LPのレーベル面です。
GEFFENのロゴなど上半分は正位置なんだけど、下の曲目・クレジットは左右反転ですね。日本盤LPは上下まで逆転してますので、CDブックレットもあの形で正しかったんでしょう。日本盤が上下まで逆転したのは、担当さんの好み(または勘違い)かと思われます。

LPのレーベル面まで日米でこんな差があるとは、さすがに気づかなかったぞ。この記事のために、10枚くらいチェックしてて、やっと気づいたという(^^;ゞ 気づいても全然自慢にならない「エアロスミスのトリビアの泉」でした。

もー疲れた。
さすがの私でもシンドイわ。残りは……。
ここまで読んでくださった方、お疲れさまでございました


Copyright : Akira 1999-2005