Roar of The Dragon Japan tour 1999-2000
News from the road
text by Tom Hamilton

オフィシャルホームページ: Aerosmith Dot Com http://www.aerosmith.com/
 「News from the Road」より1/4付のトム・ハミルトンのジャパンツアーリポート
(翻訳:ara)


日本に着いたのが昨日のことのようだけど、もう3回のショウをこなして、新しい
ミレニアムも祝ったんだね。けどもう「ミレニアム」って言葉は聞き飽きたかな?
これだけさんざん使われていると、もう言いたくない言葉になってきてるんじゃ
ないかな?

日本への空路移動はアッという間だったね。一日のほとんどをアルミ缶で時間を
潰す術を覚えてきたからね。顔・音合わせに一日取ってそれからショウタイム!
7月以来のライブで、3万人の前での肩ならしショウに準備OK!

このツアーに合わせて完全に新しいステージセットを作ったんだけど、会場入り
してそれを初めて見たときはビックリした。新しい背景には巨大なビデオ
スクリーンを取り囲むように3Dの暴れドラゴンが描かれている。エアロスミスの
ロゴから醜いモンスターが叫ぶ映像に変化するアニメーションも特別に作って
もらい、ショウのオープニングに使った。巨大ドームのどの席からもよく見える
ように、ステージ横にはセンターのとは別に4つのスクリーンも用意し、ライブ中は
プロモーションビデオや特殊効果の映像を実際のステージ上の映像に織り込んだ。
とてもエキサイティングで、このセットをたった6回のショウで終わらせるのは
勿体無いと思ったね。

最初のショウはその次の日、前世紀の12月29日にやってきた。大阪ドームに
乗り込む前に皆街に繰り出した。我々はもう何回も来てるけど、行く度に新しい
何かがあって、写真を撮ってきちゃうんだ。日本でのショウの開演はだいたい
早く、その日は7時開演。前座はなしで、時間通りに我々はステージ登場、って
なる。準備に抜かりはなく、全てうまくいくはずだったので、あとは我々が
そこに出て、楽しんでくればいいってことになる。けど当日ちょっと失敗した
ところもあったんだけど、気付いたのは我々だけであってほしいな。

その次の日は一日オフだったので、更に街の探索とロビーにいるファンの大集団を
すり抜ける日となった。けど日本のファンはすごく熱狂的で、噂もすぐ広まる
みたいで、かなり時間を取ってホントいろいろなものにサインをしたよ。けど体に
サインしてくれ、っていうのは遠慮してもらったけどね。あと皆と写真を撮るのに
何回も何回ポーズを取り、世界中のスナップショットカメラ全種類を網羅できたん
じゃないのかな?それにしても日本のファンは皆準備がいいね。彼等はいつも
ペンと色紙やシャツなどその待ちに待った瞬間のために用意しているもんね。

大阪の2回目のショウは31日。最大の呼び物のミレニアムショウだ。あ、また
「ミレニアム」って言葉使っちゃったね。この時は会場に早く行く必要はなく、
年替わりの瞬間に我々がステージ上に居るように、ステージ登場は10:15頃。
前座は2組で、BuckcherryとMR. BIG。我々の会場入りはBuckcherryのステージを
見るにはちょっと遅すぎたけど、公演後メンバーには会ったよ。彼等もカッコいいね。
演奏を見たかったよ。皆彼等もMR. BIGも素晴らしいステージだったと言ってたけど、
再会するまでにはまたしばらく待たないとだめかな。

で、我々の出番がまわってきた。

何か月もこのギグを楽しみにしていたが、いよいよ本番の時がやってきた。ショウの
始めはさっきも話したように、スクリーン上アニメーションのドラゴンが来るもの
すべてをむさぼり喰らうかのごとく大きく口を開け、こちらに向かってくる。そこで
スティーヴンが口の中に入れることのできる特殊カメラを使うという面白いアイディア
を思いついた。ドラゴンの口が一番大きく開いたように見える瞬間、映像がスティーヴン
の口の中のカメラにスイッチングされ、口の中からだんだん後ろに引いていく映像が、
まるでドラゴンがスティーヴンに形を変えたかのような効果にしたわけさ。こんな説明
でわかってもらえるかな?どちらにしろ実際会場に行って見てもらわないと。でもこの
演出はとてもカッコ良かったよ。おまけにスティーヴンはアニメのドラゴンの雄叫びと
そっくりの声まで出して真似もうまいんだ。これらオープニングがクライマックスと
なったところで、1曲目のEat The Richに入った。

セットリストを順調にこなし、12時の1分前になった頃、イヤホンを通して我々に
カウントダウンの準備をしろとの現実に引き戻すような指令の声が響いた。この世紀の
瞬間のために特別の映像が用意され、バンド・観客ともに新年へのカウントダウンの
数字を合唱した。その瞬間が訪れた時、紙吹雪が舞い、無数の風船が落ちてくる中、
皆解き放たれたようだった。その直後この紙吹雪にまみれた観客は大きく長い男根の
ような風船を膨らまして持っていた。それはあたかも観客皆がピンクやブルーに勃起
しているかのようだった。何と言う光景だろう。また、この日は私の誕生日でもあり、
大きな「ハッピーバースデー」の看板を持ったファンも見えた。と思っていると、
スティーヴンが音頭を取り観客全員がハッピーバースデーを歌ってくれた。ちょっと
照れ臭かったけど、同時にすごく感動もした。皆にホント感謝したい。

ショウが終わるとメンバーの何人かはNile RogersとChicがギグをやっていたブルー
ノートというクラブに行った。前の晩もNileを見に沢山のメンバーがブルーノートに
行ってたけど、連チャンで来ている奴はあまりいなかったかな。けど彼等はスゴいね。
ホントの意味でプロだ。彼等は、私が昔からよく聴いていて好きだったけど、誰の
作品かわからないような曲をいっぱい演るんだ。深夜3時頃、誰かいるかなとロビー
に降りて行ったところ、灯りが消えていて人影もなかったけど...、やっぱり!サイン
をもらう品々を抱え、写真を撮ろうとするファンが数人!何て地獄だ...!次の15分間
はサインと写真攻めに遭い、やっと夜を迎えることができた。

2日後我々は名古屋で公演し、自分で言うのも何だけど充実のショウだった。セット
リストにもNo More No MoreとRememberを加えた。これらの曲はかなり長い間演奏して
おらず、練習する暇もなかったけど、とにかく演ってみようということで始めたところ、
出だしは少しおかしかったかな。ちょっとジャズっぽい感じ(いつもアレンジを
トチったとき、こういう言い訳をするんだけど...)だったかもしれない。いずれも
手探りで弾いて、観客も合わせると。日本の客は他のどこよりも定番から外れた曲が
好きなんだ。我々もちょっと演奏が危なっかしくても、ギリギリのところで引き戻す
ことができるからね。

次のショウはフクオカだ! 発音には気をつけて!(f**kと言ってしまわないように!)

ところで、皆さんも良い新千年期をお迎え下さい。そして、この節目に人類の互いの
接し方を見直すきっかけになれば、素晴らしいことだと思います。

トム・ハミルトン



オリジナル記事は、Let The Music Do The Talkingえあろの木の実で発表。
翻訳されたaraさん、およびのむの許可を得て転載。
イメージは、Aerosmith Dot Com : News from The Roadより転載。


Copyright : Akira 1999-2000