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●エアロスミスがレコードでカバーした曲、ステージで演奏した曲のオリジナル奏者の紹介。どんなバンドに影響されているのかをイッパツ解答(ライブ曲はプロ・デビュー後に限定しました)。 ●エアロスミスに影響を与えたアーチストと、オリジナル奏者は違う場合は両方を記した。 ●以下の記事は「第1版」です。そのうち改訂版になると思います。 ★あきら教授から、ひと言 |
All Your Love(Otis Rush) ◎スタジオ録音:「Pandora's Box」 : Disc 2-12に収録。アルバム「Draw The Line」のアウトテイク。
●関連記事:Walk This Way P.130 back to TOP |
Batman Theme(Neal Hefty) ◎ライブのみ:1974-1977年初来日ごろまで、Train Kept A Rollin'の中で部分的に演奏。
●最初はジョーイのドラミングが、ニール・ヘフティのバージョンのほうだったが、初来日のころになると、オリジナルの「よりジャズっぽいドラミング」に似てきたのが面白かった。個人的に大好きな曲。 ●「007/ジェームズ・ボンドのテーマ」「スパイ大作戦のテーマ」などと並ぶ、1960年代サントラ・クラシックの1曲。1960年代に生きた人間なら知ってて当然というほど有名なエバーグリーン・ナンバーである。これもセミプロ時代に演奏していたレパートリーの1つ。 back to TOP |
Big Ten Inch Record(Weismantel) ◎スタジオ録音:サードアルバム「Toys In Te Attic」A面5曲収録。ライブ登場率も高いジャンプ・ブルース。
●関連記事:Walk This Way P.275 back to TOP |
Come Together(Lennon/McCartney) ◎スタジオ録音:映画「サージェント・ペパー」のサントラ用に録音、シングル発売もされた。ライブでもごく稀に登場する。 また「Live! Bootleg」には、スタジオライブの再録版が収録された。再録のほうが出来がいい。
●ライブではまれしか登場しないが、「グラミー賞」のステージで演奏されたテイクは有名(後年ビデオ化)。また「ウッドストック'94」のステージでも演奏された。 ●映画「サージェント・ペパー」には、この曲の演奏シーンがある。1999年、NHK−BS2「ミッドナイト・スペシャル」電話リクエストで放送され、ファンを狂気させた。あんときゃ、みんなで一生懸命リクエストはがきを書いたもんねー。 back to TOP |
Cry Me A River(A.Hamilton) ◎スタジオ録音:アルバム「Rock In A Hard Place」A面最後(5曲目)に収録。
●前半のけだるさのまま駆け抜ければ違ったかもしれないが、後半の無理な盛り上げが曲を破壊している。 back to TOP |
Dazed And Confused(Jimmy Page) ◎ライブのみ: 1994年来日公演-1998年ツアーで、Sweet Emotionの中で部分的に演奏。
●ヤードバーズは何曲もカバーしているエアロスミスだが、レッド・ツェッペリンにはノー・タッチだった(影響を受けていないロックバンドが存在するかどうか疑問だが)。ZEPの影響を初めて公に認めた曲。後にHeartbreakerも演奏している。 back to TOP |
Heartbreaker(Jimm Page/Robert Plant/John Paul Jones/John Bonham) ◎ライブのみ:1998年後半Nine Lives Tourで部分的に演奏
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Helter Slelter(Lennon/McCartney) ◎スタジオ録音:アルバム「Pndora's Box」disc 3-17収録。1975年録音の未発表曲。1976-1978年にライブでも演奏。
●1976年秋のヨーロッパ・ツアーでは、ロンドン・ハマースミス公演のラストで演奏された(1977年の来日では登場せず)。1977年後半以降は、ショートバージョンになったTrain Kept A Rollin'とメドレーでプレーされ、コンサートの最後を飾っている。 back to TOP |
I Ain't Got You(Clarence Carter) ◎ライブのみ:アルバム「Live! Bootleg」に1973年のFMラジオライブ音源を収録。
●1973年4月にボストンのFM局WCBNで演奏したテイクが「Live!Bootleg」に収められている。ヤードバーズのバージョンをお手本にしているが、イントロのギターの似せ方、間の取り方など、ハンパじゃない似せ方でニンマリさせられる。 back to TOP |
I'm Not Talking(Mose Allison) ◎ライブのみ:1994年12月19日、Mamakin Music Hallのこけら落とし公演で演奏。
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I'm Down(Lennon/McCartney) ◎スタジオ録音:アルバム「Permanent Vacation」に収録。
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Love Me Two Times(Densmore/Kreiger/Manzarek/Morrison) ◎スタジオ録音:映画のサントラ・アルバム「Air America」に収録。Box Of Fireにも再収録された。
●これもオリジナルをいかしたカバー。ドアーズは、エアロが敬愛する数少ないアメリカのバンドの1つだから当然か。もともとプロ・デビュー前にステージで演奏していた曲の1曲。 back to TOP |
Milk Cow Blues(Kokomo Arnold) ◎スタジオ録音:アルバム「Draw The Line」の最後を飾るナンバー。エアロスミス初期からのレパートリー。
●この曲も、イギリスからの逆輸入。キンクスのバージョンをもとにしてのカバー。聴き比べるとエアロ・バージョンのほうが圧倒的に強力だが、イントロのきざみ方などかなりキンクス版の影響が濃い。 back to TOP |
Mother Popcorn(James Brown) ◎ライブのみ:アルバム「Live! Bootleg」4面2曲目に、1973年のFMライブを収録。 back to TOP |
Peter Gunn Theme(Henry Mancini) ◎ライブのみ:Sweet Emotionの中で演奏。
●これもクラブ時代に演奏したレパートリーの1つ。 ※関連記事:Walk This Way P.130 back to TOP |
Rattlesnake Shake(Peter Green) ◎ライブのみ:アルバム「Pandora's Box」に、1973-1974年ごろのライブを収録。
●この「Madge」のメインリフは、後に「Rats In The Cellar」のクライマックスに使われている。 back to TOP |
Red House(Hendrix) ◎ライブのみ:ジョー・ペリーがステージで歌うソロ・ナンバー。
●ステージで、ジョーが歌うナンバーの1つ。他の曲に比べると、比較的アレンジされている。 back to TOP |
Remember(Walking In The Sand)(George "Shadow"Morton) ◎スタジオ録音:アルバム「Night In The Ruts」に収録。
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Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogiw Flu(Smith/Vincent) ◎スタジオ録音:サントラ「Less Than Zero」に収録。後に「Box of Fire」ボーナスディスクにも再収録。
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Stop Messin' Round(Peter Green) ◎ライブのみ:ジョーがステージで好んで歌うナンバー。
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Stranger In The Night(Laempfert/Singleton/Snyder) ◎ライブのみ:Live! Bootleg 収録のTrain Kept A Rollin'の中で演奏。
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Train Kept A Rollin' (T.Bradshaw/L. Mann/H. Kay) ◎スタジオ録音:1974年発表 「Get Your Wings(飛べ!エアロスミス)」収録。 エアロスミス結成〜1978懇ろまでは、ステージのハイライトを飾った代表曲の1つ。
●原曲はロックン・ロール以前の黒人音楽、ジャンプ・ブルースでカバーも多い。1966年発表のヤードバーズ版で現在の形に改良された。ジョーによれば「俺たちがエアロスミスとして最初にプレーしたかった曲の一つ」という、まさにエアロの原点である。 ●わずか3分の小曲を、エアロはスローとアップテンポで「2回繰り返し演奏」するアイデアにより、ステージ映えするヘビー・ナンバーに昇華させている。エアロスミスの代表曲の1つ。 back to TOP |
Think About It(K. Relf/J. McCarty/J. Page) ◎スタジオ録音:アルバム「Night In The Ruts」収録。ライブでは結成当初と、1980年代前半にも演奏された。 それほど有名な曲ではなく、かなりマニアックな選曲と言える。1970年代には入手困難な 曲だったが、今はのボーナストラックで聴ける。 ヤードバーズについては。別項参照。
●イントロでのツイン・リードなど少々アレンジがオーバー(録音が完成した時には、既にジョーは脱退していたわけだが)。この曲に関しては原曲の勝ち。 back to TOP |
Walking The Dog(Rufus Thomas) ◎スタジオ録音:ファースト「Aerosmith」B面4曲目に収録。初期のライブ・レパートリー。
●1963年のヒットのため、スティーブンたちはローリング・ストーンズのカバーを聴く前から、原曲を知っていたと思われる。が、ファースト・アルバムが、ヤードバーズよりストーンズのテイストに近いことを考慮すると、初期ストーンズの持っているブラック・ミュージックの要素もこの曲を選ぶきっかけになったのでは…などと想像してしまう。 back to TOP |
●ブルースと一口に言っても100年からの歴史があり、本1冊でも納まらないほどの情報量がある。 元々は1800年代の末、アフリカ系アメリカ人(奴隷としてつれてこられた黒人)の伝承するアフリカ音楽をベースに発祥した。これが時代により、土地により細分化し,ジャズ、ゴスペルと枝分かれしていくのである。 ●All Music Guideで検索しても、Bluesという単語で、デルタ、メンフィス、シカゴ、イースト・コースト、ウエスト・コーストと、多くのカテゴリーが登場する。また時代により(レコード創世紀の)1920-1930年代がアコースティック、1940-1960年代にエレクトリック・ブルース、1980年代以降がモダン・ブルースと区別されている。 ●その中でロック、エアロスミスと特に関係が深いのが、次の2つ。 ◎シカゴ・ブルース 代表例:Led Zeppelinの「I Can't Quit You Baby」 「You Shook Me」 1950-1960年代、エレキ・ギターの時代に入ったシカゴ派のブルース。特にチェス・レコードには、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、ボ・ディドリー、エッタ・ジェームズ、ソニー・ボーイ・ウィリアムソン2世などのシカゴ派の代表が契約していた。ブリティッシュ・ブルース・ロックのバンドによくカバーされており、レッド・ツェッペリンの伝記を読む「影響を受けたミュージシャン」として必ずでてくる。 ヤードバーズのコーナーでも触れたが、シカゴ派のブルースマンが1950年代末からイギリスに出稼ぎ公演を行い、ブリティッシュ・ブルース・ロック誕生の種をまいていた。そして、ヤードバーズなど第2世代の音楽を聴いて、逆輸入の形でブルースの洗礼を受けたのが、エアロスミス世代のミュージシャンである。 ◎ジャンプ・ブルース 代表例:エアロスミスの「Big 10 Inch Record」 1940年代にイースト・コースト(ニューヨーク派)から出たスタイル。アップテンポでジャズ風味。ジャズといっても、ビッグバンドほどの大編成ではなく、コンボ程度をバックに、陽気に歌って踊るタイプ。 back to TOP |
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●12月7日から連載を始めて、何とか完成を見たのが12月19日の深夜じゃ。ロックを聴き始めて25年、もうぼちぼちこの記事に着手してもよかろう…と思ったが、やはり苦戦したわい。
CDのライナー・ノーツでカバー・ソングが紹介される時、お手軽に原作者の名前紹介だけで終わってしまう場合が多い。この記事の主眼は、だれが原曲をプレーしたかではなく、「だれの演奏がエアロスミスに影響を与えたか」という点じゃ。 ありがたいことに、連載中にもかなり反響をもらって、大変心強かった。正直に言えば、ワシもこの記事の全部が頭に入っているわけではない。アヤシイところが多くて、All Music Guideで一件一件調べながら記事をまとめていったのじゃ。 書きながら毎日推敲を重ねて、最初の文章とは違うモノになっている箇所もある。毎日見てくれた人は気付いたと思うが、All My Loveは最初オーティス・ラッシュしか触れておらず、途中でブルース・ブレイカーズを追加したのだ。ブルースについてのカテゴリー分類も、All Music Guideを参考にしておる。ただ、どの箇所も丸写しにはならないように注意はしたつもりじゃ。 この記事をまとめた今、1つの結論が導き出される。 「アメリカのブルースをお手本に、新たなエレクトリック・ブルースに挑戦した1960年代のブルティッシュ・ビート・グループが、エアロスミスのお手本であった」。 「Walk This Way:エアロスミス自伝」を読めばだいたいわかることじゃが、ここでは具体的なお手本の紹介も合わせて行った。教授の講義は長くなるのが欠点なので、掲載したスリーブ(ジャケット)の大きさに対応した文面で、簡潔にまとめるようには工夫してある。 まだまだワシも「Walk This Way」の読み込みが足らないようじゃ。対応するページ等々の不可要素は、今後も追加していくつもりでおる。 また文中でも繰り返し触れているが、もし「オリジナルを聴こう」という時には、作者に戻る前に、エアロスミスが手本としたブリティッシュのサウンドに触れて欲しい。時間があれば、またその祖先もたどってもらえれば幸いじゃ。幸運にも諸君の回りに30-40歳台のロックファンがいて、そのライブラリーを聞かせてもらう機会があったら、挑戦してもらいたい。 これは全部覚える必要はない知識じゃ。なんかどっかで聴いた名前だな…と思った時に、辞書代わりにここで検索してもらえたら幸いに思う。 [1999/12/19] |